退職代行で弁護士と労働組合どちらに依頼するのがおすすめ?

退職代行で弁護士と労働組合どちらに依頼するのがおすすめ?

「会社が辞めさせてくれない」「退職を切り出すのが怖い」そんな時に頼りになる退職代行サービス。しかし、「弁護士と労働組合、どちらに依頼すればいいの?」と迷う方も多いでしょう。

この記事では、退職代行における弁護士と労働組合の違いを徹底比較。料金相場や対応範囲、どちらを選ぶべきかまで詳しく解説します。

目次

退職代行サービス:弁護士と労働組合の基本的な違い

退職代行サービス:弁護士と労働組合の基本的な違い

退職代行サービスを提供する業者は「弁護士」と「民間業者」、「労働組合」の大きく3つに分類されますが、その中でも「弁護士」と「労働組合」は特に混同されやすい存在です。まずは両者の基本的な違いを理解しておきましょう。

弁護士による退職代行の特徴

弁護士による退職代行は、法律の専門家が直接対応するため、最も包括的なサービスを受けることができます。

弁護士の主な特徴

  • 法律に関するあらゆる業務に対応可能
  • 損害賠償請求や訴訟対応も可能
  • 未払い残業代や退職金の請求・回収
  • パワハラやセクハラの慰謝料請求
  • 労働問題全般の法的解決

弁護士は「弁護士法」に基づく国家資格者であり、依頼者の代理人として法的な権限を持って会社と交渉できます。そのため、会社側も弁護士からの連絡には真摯に対応せざるを得ません。

労働組合による退職代行の特徴

労働組合による退職代行は、「団体交渉権」を活用したサービスです。ただし、多くの場合は一般企業が労働組合に加盟する形でサービスを提供しています。

労働組合の主な特徴

  • 団体交渉権に基づく会社との交渉
  • 賃金や労働条件に関する交渉が可能
  • 弁護士より料金が安価な場合が多い
  • 法律相談や訴訟対応は不可

労働組合は憲法第28条で保障された「団体交渉権」を持ちますが、その権限は労働条件の改善や賃金交渉に限定されます。法的な問題が発生した場合は、別途弁護士への相談が必要になるケースがほとんどです。

重要なポイント
退職代行においては、単純に「退職の意思を伝える」だけで済むケースは稀です。多くの場合、有給消化、未払い残業代、引き継ぎ問題など、法的な知識が必要な複合的な問題が発生します。こうした場合、弁護士による包括的な対応が結果的に最も確実で効率的な解決につながります。

労働組合加盟退職代行業者の法的リスクと問題点

労働組合加盟退職代行業者の法的リスクと問題点

労働組合による退職代行サービスには、見落としがちな法的リスクが存在します。選択前にこれらの問題点を理解しておきましょう。

「非弁行為」のグレーゾーン問題

多くの労働組合加盟業者は、元々一般企業が非弁行為規制を回避するために労働組合に加盟した形態です。法律相談や複雑な交渉を労働組合名義で行っていても、実質的に一般企業スタッフが対応している場合、非弁行為にあたる可能性があります。

形式的な組合運営の問題

退職代行のために依頼者が一時的に組合員となる形式的な手続きや、実質的な組合活動実績がない「名ばかり労働組合」の存在が問題視されています。

弁護士による退職代行の法的安全性

弁護士による退職代行は弁護士法に基づく正当な業務であり、弁護士賠償責任保険や弁護士会の監督により法的安全性が確保されています。弁護士法人みやびでは、法的リスクを事前に把握した適切な対応により、これまで法的問題が生じたケースは皆無です。

退職代行の法的対応範囲:弁護士vs労働組合の比較

「損害賠償・裁判」は結局弁護士だけ!労働組合加盟業者との比較

退職代行を選ぶ際に最も重要なのが「何をどこまで対応してもらえるか」という対応範囲の違いです。ここでは具体的な事例を交えながら、弁護士と労働組合の対応範囲を詳しく比較していきます。

弁護士の退職代行で対応可能な範囲

弁護士による退職代行は、労働問題に関するほぼ全ての事案に対応できる「オールインワン」のサービスです。

◆ 基本的な退職手続き

  • 退職の意思表示と交渉
  • 退職日の調整
  • 有給休暇の消化交渉
  • 退職届の提出代行

◆ 金銭的な請求・回収

  • 未払い残業代の計算と請求
  • 退職金の請求
  • 賞与(ボーナス)の未払い分請求
  • 各種手当の未払い分回収

◆ トラブル対応・法的措置

  • パワハラ・セクハラの慰謝料請求
  • 不当解雇に対する法的対応
  • 会社からの損害賠償請求への反論
  • 競業避止義務違反の主張への対処
  • 労働審判や裁判への対応

◆ 書類作成・法的手続き

  • 内容証明郵便の作成・送付
  • 労働基準監督署への申告代行
  • 各種法的書類の作成

労働組合の退職代行で対応可能な範囲

労働組合による退職代行は、団体交渉権の範囲内での対応に限定されます。

◆ 対応可能な範囲

  • 退職の意思表示
  • 労働条件に関する基本的な交渉
  • 賃金(残業代含む)に関する交渉
  • 有給休暇消化の交渉

◆ 対応困難・不可能な範囲

  • 法律相談や法的アドバイス
  • 訴訟や労働審判の代理
  • 慰謝料請求などの法的手続き
  • 複雑な労働問題の法的解決
  • 内容証明郵便などの法的書類作成

実際のトラブル事例から見る限界 労働組合の退職代行を利用した方から「会社が法的な反論をしてきて対応できないと言われた」「結局弁護士を紹介されて二重に費用がかかった」といった相談を受けることがあります。これは労働組合の権限が団体交渉に限定されているためです。

弁護士選択のメリット 弁護士による退職代行なら、万が一のトラブルが発生しても追加費用なしで最後まで対応可能です。特に「退職を阻止しようとする会社」「法的な脅しをかけてくる会社」に対しては、弁護士の法的権限が絶大な効果を発揮します。

退職代行の料金比較:弁護士と労働組合の費用相場

退職代行の料金比較:弁護士と労働組合の費用相場

退職代行を選ぶ際、料金は重要な判断材料の一つです。しかし、単純な基本料金だけでなく「トータルコスト」で比較することが重要です。

弁護士による退職代行の料金相場は5万円〜8万円が一般的です。一見すると高額に感じるかもしれませんが、総合的に鑑みると、労働組合にはない弁護士ならではの精神的な安心感と信頼感を実感することができます。

1. 追加費用の心配がない
弁護士なら基本料金ですべてのサービスが利用でき、予想外の追加請求はありません。仮にオプション料金が発生する場合も、しっかりと明確に説明してくれるので、あとから「こんなはずじゃなかった」といった後悔に見舞われることはありません。
2. 二度手間のコストを回避
労働組合で解決できずに結局弁護士に依頼し直すケースでは、両方に費用を支払うことになります。
3. 回収できる金額の違い
弁護士の専門知識により、未払い残業代や慰謝料などで基本料金以上の回収ができるケースが多数あります。

トータルで考えると、弁護士による退職代行の方がコストパフォーマンスに優れているケースが圧倒的に多いのが実情です。

オプション費用に注意が必要

多くの弁護士は請求する料金に対して透明性を重視していますが、労働組合加盟業者は営利を目的とした一般企業のため、ホームページに記載のない料金が追加費用としてかかってくることも想定しておいた方がよさそうです。

具体的には「即日対応料金」、「土日対応料金」、「有休交渉料金」、「各種書類の郵送交渉料金」など。基本料金は最低に抑えて、各種オプション請求することで「結局弁護士に依頼する費用と変わらない金額になった」といったこともあるようです。

退職代行を依頼するときの弁護士と労働組合加盟業者の連絡方法の違い

弁護士と労働組合加盟業者の連絡方法と退職代行の流れの比較

続いては弁護士事務所と労働組合加盟業者への連絡・問い合わせ方法の比較を紹介します。弁護士・労働組合加盟業者とともに、以下3つの方法が主となります。

  1. Email
  2. LINE
  3. 電話

退職代行に依頼する人の多くは心身ともに疲弊しきっていて、なかなか電話で話す勇気がないため、一般的にはEmailもしくはLINEのチャットでやりとりするケースが多いです。

「弁護士もLINEでやり取りできるの?」と少し驚かれるかもしれませんが、弊所「みやび」のように、古くから退職代行サービスを提供している老舗の弁護士事務所の中には、そういった民間のサービスを取り入れているところも少ないながら存在します。

弁護士と労働組合加盟業者の退職代行の手続きと流れ

弁護士と労働組合加盟業者の退職代行の手続きと流れ


退職代行を弁護士と労働組合に依頼したとき、両者には手続きや退職完了までの流れに違いはあるのでしょうか。

実は、両者ともに流れはほとんど変わりありません。弁護士事務所に依頼する場合、カード払いができないことが多く、一般的に銀行振り込みとなりますが、実際の相違点はそのくらいとみていいでしょう。

  1. 問い合わせ(EmailもしくはLINE)
  2. 担当者に相談
  3. 正式に依頼する場合は料金支払い
  4. 会社に連絡する日を決定
  5. 退職代行業者の担当者が会社に連絡
  6. 退職完了
  7. アフターフォロー

といった流れです。アフターフォローは1.退職後のトラブル対応、2.転職サポートなどが主となります。

退職代行選び:弁護士と労働組合どちらがおすすめ?

退職代行選び:弁護士と労働組合どちらがおすすめ?

退職代行を選ぶ際は、自分の置かれた状況と求める解決レベルに応じて判断することが重要です。ここでは具体的なケース別に、どちらを選ぶべきかを解説します。

弁護士の退職代行がおすすめのケース

以下の状況に一つでも当てはまる場合は、弁護士による退職代行を強く推奨します。

◆ ブラック企業・トラブル系のケース

  • 退職を申し出ても受理してもらえない
  • 上司や会社からパワハラ・セクハラを受けている
  • 会社から「損害賠償を請求する」と脅されている
  • 「訴訟を起こす」と言われている
  • 退職に関して会社が法的な反論をしてくる可能性がある

◆ 金銭請求を伴うケース

  • 未払いの残業代がある
  • 退職金が支払われない
  • 有給休暇を消化させてもらえない
  • ボーナスや各種手当の未払いがある
  • パワハラ・セクハラの慰謝料を請求したい

◆ 確実性を重視するケース

  • 絶対に退職を成功させたい
  • 会社が退職代行に慣れており対策を講じている
  • 法務部門がしっかりしている大企業
  • 過去に退職代行を断った実績がある会社

労働組合の退職代行で十分なケース

理論的には以下のような限定的なケースでは労働組合でも対応可能かもしれません。

◆ 非常にシンプルなケース

  • 会社が退職に理解がある
  • 法的な問題が一切発生しないことが確実
  • 金銭的な請求が全くない
  • トラブルやハラスメントが存在しない
  • アフターサポートが不要

ただし、実際の退職代行では、「最初は簡単だと思っていたのに会社が予想外の反応を示した」「後から未払い残業代の存在に気づいた」といったケースが非常に多いのが実情です。

弁護士選択が圧倒的に安全な理由

1. 予期せぬトラブルへの対応力
退職代行では、依頼時には予想していなかった問題が後から発覚することが多々あります。弁護士なら追加料金なしでこれらの問題にも対応できます。
2. 会社の出方を読む専門性
弁護士は過去の豊富な経験から、会社がどのような対応をとってくる可能性があるかを事前に予測し、適切な対策を講じることができます。
3. 最終的なコストパフォーマンス
労働組合で解決できずに弁護士に依頼し直すケースを考慮すると、最初から弁護士に依頼する方が結果的に安上がりになります。
4. 心理的な安心感
「法律の専門家が味方についている」という安心感は、精神的に追い詰められた退職希望者にとって非常に重要な要素です。

安心の退職代行を提供。無料相談ありの「弁護士法人みやび」が選ばれる理由

安心の退職代行を提供。無料相談ありの「弁護士法人みやび」が選ばれる理由

弊所弁護士法人みやびは退職代行の黎明期より参入し、これまで数多くの受注実績があります。事務所は東京に所在を置くものの、全国対応しているため、どの依頼者からの問い合わせにも誠実な対応をさせていただきます。

  • 無料LINE相談
  • 即日対応可
  • 必ず弁護士が会社へ退職連絡
  • 退職完了後のトラブルも無期限対応
  • 転職サポートあり

などが弊所みやびの強みとなります。「退職したいけど、うちの会社は一筋縄じゃいかない」、「社長が頑固で辞めさせてくれない」、「有休消化したいけど、うちの会社はないと言われた」といった問題がある場合も、弊所にご相談いただくことで解決が可能です。

弁護士事務所によっては相談料を請求するところもありますが、弊所みやびではEmail及びLINEにて無料相談が可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ:弁護士と労働組合加盟業者に退職代行を依頼。まずは自身の問題を整理しよう

まとめ:弁護士と労働組合加盟業者に退職代行を依頼。まずは自身の問題を整理しよう

今回は退職代行業者のうち、弁護士と労働組合加盟業者に焦点を当てて両者の違い・比較を解説しました。上述したように、労働組合加盟業者といっても一般企業と変わりないため、込み入った事案は断られることも多いようです。

複雑な案件や確実に退職したい場合は、弊所含む労働問題の専門家にお任せください。

弁護士法人「みやび」は全国の「会社を辞めたいけど辞められない」人に退職代行サービスを提供しています。LINE無料相談・転職サポート・残業代等各種請求にも対応しており、27,500円(税込)から承っています。まずはお気軽にご相談ください。

平成12年慶應義塾大学法学部法律学科卒。 平成15年に司法試験合格後、片岡法律事務所入所。

債権回収、相続問題といった一般民事事件から、M&A、事業再生、企業間取引
労務管理、知的財産権などの企業法務まで、数多くの実務に従事する。

平成19年からは慶應義塾大学法科大学院講師(実務家ゼミ担当)及び慶應義塾大学法学研究所講師を務める。
平成21年に弁護士法人みやびを開設し、現在に至る。

退職代行の弁護士と労働組合の違いに関するよくある質問

退職代行を検討する際、「弁護士と労働組合のどちらに依頼すべきか」と迷う方は非常に多くいらっしゃいます。ここでは、それぞれの違いやメリット・デメリットを分かりやすくQ&A形式でご紹介します。

弁護士の退職代行と労働組合の退職代行の最大の違いは?

最大の違いは「法的交渉ができるかどうか」です。弁護士は法律に基づき、未払い賃金の請求や損害賠償請求への対応など法的業務をすべて担えますが、労働組合は団体交渉しか行えず、法律相談や訴訟対応は不可です。

退職代行で損害賠償を請求されたら、弁護士と労働組合どちらが対応できる?

損害賠償請求に対して法的に反論できるのは弁護士のみです。労働組合は法的代理人ではないため、請求された場合でも対応できず、別途弁護士に依頼し直す必要があります。

労働組合の退職代行はなぜ安いのですか?

労働組合は団体交渉のみを行うため、対応範囲が限られており、法的手続きや複雑な交渉はカバーしていません。そのため基本料金が安く抑えられていますが、実際にはオプション費用が加算されるケースもあります。

労働組合の退職代行は「非弁行為」になるのでは?

実態として、組合員でない一般企業が組合名義で退職代行を行っているケースもあり、法律的にグレーゾーンとされています。法的リスクを回避したい場合は、弁護士の退職代行を選ぶのが安全です。

弁護士の退職代行を利用すると、どんなメリットがありますか?

弁護士であれば法的交渉や代理対応が可能なため、未払い残業代請求や損害賠償への対応、有給消化交渉など幅広いトラブルに対応できます。安心・確実に退職したい方には最適です。

労働組合の退職代行でも、問題なく退職できますか?

一般的なケースでは問題なく退職できます。ただし、会社側とトラブルが発生した場合や法的手続きが必要になった場合には対応できないため、あらかじめケースに応じた選択が求められます。

どんな人に弁護士の退職代行がおすすめですか?

損害賠償のリスクがある、未払い給与がある、有給を全消化したい、ハラスメントが深刻で精神的に限界、などの方には弁護士型が向いています。法的交渉力を重視するなら弁護士一択です。

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