給料手渡しで取りに行きたくない時は退職代行が解決

給料が手渡しの会社で働いていると、会社を退職前後に「給料を取りに行きたくない」「もう職場に行って会社の人に会う気力がない」という悩みが発生します。特に人間関係の悪化、パワハラ、気まずさなど心理的な要因がある場合、給料の受け取りだけのために出社することは大きなストレスとなります。
しかし、労基法上、給料の受け取り方法は必ずしも「対面での手渡し」である必要はなく、郵送や銀行振込へ変更できるケースもあります。本記事では、給料手渡しで取りに行きたくないときの正しい対処法から、会社が応じない場合の対策、退職代行による安全な受け取り方法までを弁護士の視点でわかりやすく解説します。
給料手渡しで取りに行きたくない理由|よくある背景とリスク

給料が手渡しの会社で働いていると、退職前後に「取りに行きたくない」という問題が頻繁に起こります。人間関係のトラブルが原因の場合もあれば、単純に気まずくて行きたくないという心理もあります。
実際には、給料を受け取るためだけの出社には大きなリスクがあり、無理に行く必要がないケースも存在します。本セクションでは、なぜ人が給料を受け取りに行きたくなくなるのか、その背景と潜在的な危険性を整理していきます。
会社に行きたくない心理(パワハラ・いじめ・気まずさ)
給料を取りに行きたくない理由として最も多いのが、人間関係による心理的負担です。パワハラやいじめ、叱責、過度な詮索などの経験があると、会社に足を踏み入れるだけで強いストレスが生じます。また、退職を申し出たことで気まずくなり、特に直属の上司や同僚と顔を合わせたくないというケースも多く見られます。こうした心理的負担は軽視できず、無理に出社したことで体調を悪化させる例もあります。
給料受け取りだけの出社が危険な理由
給料手渡しのためだけに会社へ行く行為には、想像以上のリスクがあります。退職後であれば、不要な引き留めや嫌味を言われるなど、精神的なダメージを受ける可能性があります。また、給料の支払いと引き換えに書類への署名を求められるなど、不当な要求が行われるケースも報告されています。さらに、パワハラやいじめが背景にある場合は、対面でのトラブルに発展する危険性もあり、慎重な判断が必要です。
給料手渡しのルール|賃金支払い方法と労基法の基準

給料手渡しに関する誤解は多く、「取りに行かなければ受け取れないのか」「郵送は認められないのか」など不安が生じやすい部分です。しかし、労働基準法では賃金支払いの大枠として「直接払いの原則」を定めているだけで、必ず対面で現金手渡しにしなければならないとは規定していません。
この原則は“労働者保護”のためのルールであり、労働者が不利にならない範囲であれば、振込・郵送・代理人受け取りなど柔軟な運用が可能です。ここでは、会社が遵守すべき法律上の基準と、手渡しでも例外が認められる具体的なケースを解説します。
賃金は「直接払い」が原則だが例外が認められる
労基法24条は賃金の「通貨払い・直接払い・毎月1回以上・一定期日払い」を定めています。ただ、この“直接払い”は労働者を保護するための原則であり、本人が不利益を被らない範囲であれば例外的な扱いが可能です。実務では、銀行振込による支払いが一般化しているように、法律上も「本人が希望・同意している場合」は原則を緩和できます。そのため、給料手渡しの会社であっても、労働者が振込や郵送を希望した場合に応じる運用は全く問題ありません。
企業が郵送・銀行振込に応じるケースと応じないケース
多くの会社では、退職者については「来社不要」とするために振込対応へ切り替えています。特に、本人が精神的負荷を訴えている場合や、退職後に勤務先に行くことが難しい状況では、企業側が振込や現金書留を選択するのが一般的です。
一方で、古い体質の企業や小規模事業所では「手渡しが会社ルールだから取りに来い」と形式を優先するケースも見られます。この対応自体は違法ではありませんが、労働者の状況を無視して強制することはトラブルの原因となり、最終的には外部介入が必要になる場合もあります。
給料を取りに行きたくないときの正しい対処法|来社不要にする方法

給料が手渡しの職場でも、「取りに来い」と言われたからといって必ず出向く必要はありません。労働者側から受け取り方法の変更を申し出ることは合法であり、実務でも退職者・休職者・体調不良者に対しては郵送や振込への切り替えが一般的です。ここでは、来社せずに安全に給料を受け取るための具体的な手順を解説します。
会社に郵送・銀行振込を依頼する方法
まずは会社へ「来社が難しいので郵送または銀行振込での支払いを希望します」と正式に依頼します。連絡手段はメールがおすすめで、証拠として残せる点が重要です。会社側は労働者に不利益がない限り、振込や現金書留など別方法への切り替えに応じることができます。特に退職後の受け取りであれば、郵送対応は実務上一般的です。
受け取り方法を変更したいときの依頼メール例
依頼文は長くする必要はなく、事実と希望を簡潔に伝えれば十分です。以下が実務で通用する最低限の例文です。
【メール例】 「お世話になっております。◯◯(氏名)です。給料の受け取りについて、来社が難しい状況のため、銀行振込または現金書留での送付を希望いたします。ご対応をお願いいたします。」
このように、感情的にならず事務的に伝えるだけで問題ありません。返信が来ない場合は、再送し、記録として残しておきましょう。
代理人受け取り・現金書留という選択肢
会社が振込に応じない場合でも、代理人による受け取りや現金書留を提案する方法があります。代理人受け取りは家族や知人でも構いませんが、会社側が身分確認の書類を求める場合があります。現金書留は郵便局を使った確実な送金方法で、追跡可能なためトラブル防止にも有効です。いずれの方法も労働者側の負担を軽減し、会社に行かずに賃金を受け取る現実的な選択肢です。
会社が給料対応を拒否する・無視する場合の対処

給料の受け取り方法を変更したいと依頼しても、会社が「返信しない」「取りに来い」の一点張りで対応しないケースは珍しくありません。賃金支払いは法律で明確に義務づけられており、会社の都合で受け取りを妨害することは許されません。ここでは、連絡が無視される場合と、出社を強要される場合の2パターンに分けて、正しい対処法と違法性について解説します。
連絡しても返信がないケース
給料の支払い方法を相談しても会社が一切返事をしない場合、まずはメールで再度正式に依頼し、送信履歴を証拠として残します。電話や口頭に比べ、メールは「会社が依頼を受け取った事実」を証拠化できるため有効です。
それでも無視され続ける場合は、労働基準監督署に相談し、会社に指導を入れてもらうことで支払いが動くケースがあります。賃金不払いに対する監督署の介入は強く、企業側が放置し続けるメリットはありません。
「取りに来い」と言われ続けるケースの違法性
会社が給料を手渡しのまま変更せず「取りに来い」と強制する行為は、労働者の自由な受取りを妨げる違法な対応にあたります。労働基準法では賃金を確実に受け取れるよう会社に義務が課されており、労働者が正当な理由で出社できない場合には、振込・現金書留・代理人受け取りなど他の方法に応じるのが望ましいとされています。出社の強制が続く場合は、監督署への申し立てや、弁護士を通じた正式な請求で解決を図ることができます。
退職代行なら会社を退職&給料手渡しでも行かずに受け取れる

給料を受け取るためだけに会社へ行かなければならない状況は、精神的負担が大きく、トラブルが続いている会社であればなおさら危険です。退職代行を利用すれば、退職と同時に、本人が会社に出向かなくても「給料の受け取り方法変更」を正式に依頼でき、振込・郵送で受け取れるよう手続きを進めてもらえます。
退職代行が「受け取り方法の変更」を会社に正式に伝えられる仕組み
退職代行は利用者の代理として、会社に対し「本人が会社に出向かずに給料を受け取りたい」という希望を正式に通知します。一般の退職代行は「退職の意思を伝える」ことに加えて、給料や書類の受け取り方法について会社へ依頼することが可能です。会社が手渡しに固執していても、退職代行が間に入ることで話が前進しやすくなり、振込・現金書留などの代替手段へ切り替えてもらえるケースが多くあります。
退職代行を使って給料を受け取るまでの3ステップ
退職代行を使った給料受け取りの流れはシンプルです。まず利用者は退職代行に「給料を取りに行きたくない」「振込や郵送で受け取りたい」という希望を伝えます。次に退職代行が会社に連絡し、退職意思とともに給料の受け取り方法変更を正式に依頼します。最後に会社が振込や郵送で給料を送付すれば完了です。仮に会社側が拒んでも、弁護士が法的説明をして会社の責任者を納得させることができ、利用者は会社と一切連絡を取らずに済み、安全に給料を受け取ることができます。
弁護士の退職代行なら給料を安全かつ確実に受け取れる

給料を手渡しでしか受け取れない職場であっても、弁護士の退職代行を利用すれば本人が出社せずに確実に受け取ることができます。法的な代理権を持つ弁護士は、会社に対して受け取り方法の変更依頼や未払い賃金の請求まで踏み込んだ対応が可能です。会社が強圧的な態度を取るケースや、連絡を無視されているケースでも、弁護士が正式な文書で交渉することで解決のスピードが大きく上がります。
未払い賃金・残業代請求にも対応できる強み
一般の退職代行は交渉行為ができないため、給料未払い・残業代未払いといった法的請求には対応できません。一方、弁護士の場合は企業側に対して「法的請求」を行えるため、未払い賃金の支払い催促、残業代の計算や請求、遅延損害金の付与といった踏み込んだ対応が可能です。給料を受け取ることに加えて、未払い分までまとめて回収できる点が最大のメリットです。
給料トラブルに強い弁護士を選ぶポイント
給料手渡しトラブルに対応できる弁護士を選ぶ際は、「労働問題の取り扱い実績」「退職代行サービスの経験」「未払い賃金回収に強いか」の3点が重要です。特に労働法に詳しいベテラン弁護士に依頼できれば、会社側の違法行為を見抜く能力が高く、支払いを拒む企業に対しても迅速に対応できます。また、退職後の書類トラブル(離職票・源泉徴収票の未発送など)へのフォロー体制があるかも安心材料となります。
弁護士法人みやびの退職代行のサポート内容

弁護士法人みやびは、退職代行の分野で長年の実績を持つ法律事務所です。給料手渡しの職場で「取りに行きたくない」「会社が対応してくれない」という状況でも、依頼者に代わって会社と正式に連絡を行い、退職の代行と併せて安全かつ確実に給料を受け取れるようサポートします。単なる連絡代行ではなく、法的根拠に基づいた対応ができる点が強みです。
トラブル発生時の法的サポート
給料未払い、離職票・源泉徴収票の未発送、退職妨害など、退職後に発生しやすいトラブルにも対応できます。必要に応じて内容証明の送付や未払い賃金請求など法的措置を取ることができ、一般の退職代行では対応できない範囲までサポートが可能です。退職後の書類に関する不安や会社からの不当な要求にも法的知見をもって対応します。

佐藤 秀樹
弁護士
平成12年慶應義塾大学法学部法律学科卒。 平成15年に司法試験合格後、片岡法律事務所入所。
債権回収、相続問題といった一般民事事件から、M&A、事業再生、企業間取引
労務管理、知的財産権などの企業法務まで、数多くの実務に従事する。
平成19年からは慶應義塾大学法科大学院講師(実務家ゼミ担当)及び慶應義塾大学法学研究所講師を務める。
平成21年に弁護士法人みやびを開設し、現在に至る。
給料手渡しだけど取りに行きたくない件のよくある質問FAQ
給料が手渡しの会社では「受け取りのために出社しなければならない」「取りに来いと言われて困っている」といった相談が多く寄せられます。ここでは、本文で解説した内容に基づき、給料手渡しでよく生じる疑問を整理し、FAQ方式で簡潔に回答します。
給料を受け取りに行かないと「無断欠勤扱い」になりますか?
いいえ、給料の受け取り方法は勤怠とは無関係です。出社できない状況でも、会社は賃金支払い義務を負っています。受け取り拒否を理由に勤務態度を問題視することはできません。
会社が「取りに来い」と言い続ける場合、どうすればいいですか?
メールで「郵送または振込での受け取りを希望します」と正式に依頼し、それでも拒否される場合は違法の可能性があります。退職代行の弁護士を通じて支払い方法の変更を求めると解決が早くなります。
給料を振り込んでもらうことは法律的に問題ありませんか?
問題ありません。労基法は「原則は直接払い」と定めていますが、労働者が同意すれば振込での支払いが認められています。郵送・現金書留も同様に合法です。
会社が給料の振込手数料を私に負担させるのは違法ですか?
賃金は全額払いが原則のため、振込手数料を労働者に負担させる行為は原則として違法です。手数料の天引きが行われている場合は訂正を求めることができます。
退職後でも給料手渡しを理由に会社へ行く必要がありますか?
ありません。退職後の出社義務はないため、郵送・振込・代理人受け取りなど別方法で対応してもらえます。退職代行ならこれらの調整も代行可能です。
退職代行を使えば給料は必ず受け取れますか?
未払い賃金は法律で必ず支払うよう義務付けられているため、原則として受け取れます。会社が不当な対応をした場合でも、弁護士型退職代行であれば法的に請求できるため安心です。
上司や会社と一切連絡したくない場合でも大丈夫ですか?
問題ありません。退職代行や弁護士が本人に代わって連絡・交渉するため、依頼者が会社と直接関わる必要はありません。給料の受け取り方法の変更も含めてすべて代行できます。





