会社から精神的苦痛を受けて休む。診断書や即日退職・訴える際のポイント
会社から精神的苦痛を受けて仕事を休む・訴えたい場合のポイントを紹介します。退職する前の休職制度の利用や即日退職の方法、慰謝料請求についても言及します。
会社が原因で精神的苦痛/精神疾患を患った場合
会社が原因で精神的苦痛及び精神疾患が発症する人も全国で多くいます。近年は働き方改革や三六協定によって従業員の職場環境も改善されつつありますが、それでも零細中小を中心にいまだ労働法に違反した企業が多く散見されます。
会社の業務へのプレッシャーや上司のパワハラなどが原因でうつ病や適応障害、自律神経失調症が発症した人は、まずは病院に行って診断を受けるようにしてください。
精神的苦痛で職場を退職したい。背景に「パワハラ」が多い
精神的苦痛で職場を退職したいと考える人の背景には「パワハラ」を中心としたハラスメント行為があるケースが多いです。ブラック企業やパワハラの類は日本における深刻な社会問題の1つであり、厚生労働省は2020年にパワハラ防止法のガイドラインを策定し、さらに2022年以降は中小企業もパワハラ防止措置の義務が生じるようになりました。
パワハラの明確な基準はありませんが、「自分の置かれている状況はパワハラに当たるのでは?」と考えている人は、厚生労働省のガイドラインを一度確認してみるのが良いでしょう。
>>パワハラ防止法のガイドライン※厚生労働省(外部サイトに移ります)
職場が原因で生じる「精神的苦痛(パワハラ)」の具体的事例
会社(職場)が原因による精神的苦痛がパワハラと見なされる具体的事例を紹介します。厚生労働省が定めるパワハラは、大きく分けて以下6つとなります。
- 身体的な攻撃
物理的接触を伴う攻撃です。相手を殴る蹴る、物を投げる等。 - 精神的な攻撃
人格を否定するような言動、高圧的な叱咤、長時間に及ぶ叱咤等。 - 人間関係からの切り離し
無視などのいじめや、不必要な異動や配置転換、別室で仕事をさせる等。 - 過大な要求
業務を遂行するに必要な教育を行わないまま命じる。目標未達に対して過剰な叱咤等。 - 過少な要求
雑務を押し付ける。辞めさせるために不必要な業務を過剰に押し付ける等。 - 個の侵害
業務とは関係ない質問や、私生活への介入・監視、性的思考や病歴などを職場内で暴露する行為等。
上記はすべてパワハラと認められるため、これらの精神的苦痛を受けた場合は、然るべき行動を検討してみるのが良いでしょう。
会社起因の精神的苦痛で休むときは診断書によって対応が変わる
社会人における精神的苦痛や精神疾患は大きく分けて「会社を起因とした精神的苦痛」と「私生活による私傷病休職」に分けることができ、今回は前者を想定して紹介します。職場で精神的苦痛を受けた場合、病院の医師に診断を受けて、「業務の続行が可能か否かを判断してもらう」こととなります。
業務の続行が難しいと診断された場合は、会社に診断書と併せて事情を説明し、休職制度の説明を受けるようにしてください。
会社から精神的苦痛/うつ病と診断。休職期間は補償・給付・労災は受けられる?
会社から精神的苦痛を受けてうつ病と診断された場合、通常は会社の休職制度を利用して一定期間自宅療養することになります。しかし、注意点として「休職期間中は企業から補償を受けられない」ことに留意が必要です。休職制度に関しては法律で内容が明記されているわけではなく、多くの企業は休職期間中は無給となります。
そのため、精神的苦痛により休職制度を利用する際は、労災や傷病手当金の申請準備も平行して行うようにしましょう。
ちなみに労災保険は私傷病休職と比較して給付が手厚く、給料の8割相当を受給できるほか、解雇制限があり、休職期間中及びその後の30日間は会社は解雇ができません。
精神的苦痛を受けて会社を退職。失業保険は受給できる?
精神的苦痛を受けて会社の退職を検討する場合、気になるのが「職場を辞めた後に失業保険を申請できるかどうか」です。失業保険は、もともと一定期間を置いたあとに転職することが前提となり、その間のつなぎの生活費となります。うつ病や適応障害といった精神的な疾病の場合、長期間職場を離脱しなければならないことがあり、そういったケースでは失業保険が下りないことがあります。
また、職場や業務上を起因とした精神的苦痛による疾病の場合は労災を申請することもできますが、現実的にうつ病で労災が下りるケースは多くはありません。
そのため、会社を辞めたあとにすぐに転職活動に向けた動きができるか否かを軸に、申請する制度を吟味することになります。不安の人は弁護士事務所に相談して、会社の退職から介入してもらうのが良いでしょう。
会社から精神的苦痛を受けて退職。訴える(損害賠償請求)ことはできる?
会社から精神的苦痛を受けたことを理由に、退職だけではなく訴えたいと考えた場合はどのような準備が必要となるのでしょうか。
- 会社が原因となる医師の診断書
- ハラスメント行為があれば、その証拠
- 会社側(雇用主側)に使用者責任または安全配慮義務違反があったことを立証
などが挙げられます。ただし、個人でこれらを成し遂げるのは非常に困難なため、弁護士に依頼して二人三脚で会社側に慰謝料を請求するのが通常の流れとなります。
会社から精神的苦痛を受けて退職・訴えるときは法律事務所に相談
会社から精神的苦痛を受けて退職や訴えを起こしたい場合、まずは信頼と実績のある法律事務所(弁護士)に相談するのが良いでしょう。上記でも解説したように、職場に留まるのであれば上司や人事と相談することになりますが、会社の就業規則に反した即日の退職や上司・会社を訴えるのであれば、自力での解決は困難となります。
ただし、弁護士は「依頼料が高い」、「相談だけでお金が掛かる」といったイメージもあるでしょう。その場合は「退職代行サービス」を提供している弁護士に依頼してみてはいかがでしょうか。
労働基準監督署に相談するメリットとデメリット
労働基準監督署は厚生労働省の出先機関として、各都道府県に窓口が配置されています。労働法や民法に違反した企業に対して勧告や是正措置を取ることができます。無料で相談できるメリットはあるものの、証拠がなければ労基は動くことができませんし、仮に証拠を提出できても、労基が慰謝料請求や退職に関して仲介してくれることはありません。「いますぐ会社を辞めたい」、「慰謝料を請求したい」といった場合は弁護士に依頼することで直接介入してもらうことができます。
弁護士(法律事務所)に相談するメリットとデメリット
労働問題を専門に扱う弁護士(法律事務所)に依頼することで、会社の退職や各種請求が可能です。また、失業保険や労災の申請の有無や書類代行等も請け負ってくれる事務所もあります。すでに精神的苦痛の限界に達し、明日にでも会社を辞めたいという人は、弁護士事務所に相談するのがおすすめです。
退職代行業者に相談するメリットとデメリット
昨今需要が増加している退職代行サービスも場合によっては有効です。退職代行は、主に会社の退職を業者が連絡するサービスとなります。一般企業と弁護士が請け負っているサービスですが、弁護士に依頼することで、退職代行以外にも各種金銭交渉や請求も可能となります。一方で一般企業は、慰謝料や残業代請求、有休消化の交渉は法律で禁じられています。退職日の調整もグレーゾーンとなります。
会社から精神的苦痛を受けたときは労働分野専門の「弁護士法人みやび」へ
会社から精神的苦痛を受けたときは、労働分野を専門に扱う「弁護士法人みやび」に相談してみてはいかがでしょうか。弁護士法人みやびは個人向けに退職代行サービスを提供する東京の法律事務所です。
退職代行は辞めたいけど辞められない人に向けた退職手続きの代行サービスとなりますが、未払いの残業代請求や精神的苦痛に対する慰謝料請求にも対応可能です。
弁護士法人みやびは無料相談が可能な数少ない法律事務所
弁護士法人みやびは労働問題を専門に扱う法律事務所として、長らく個人向けに退職代行サービスを提供しています。「LINE相談&依頼」、「即日退職」、「各種請求代行」、「申請・転職サポート」なども実施しています。弁護士への依頼や問い合わせが初めての人の多くが「弁護士費用が高い」、「相談するだけで料金がかかる」といったイメージを持っているため、心理的に問い合わせするハードルが高くなっています。弁護士法人みやびではスマホのLINEアプリを通じてやり取りできるため、仕事の合間や夜に気軽にメッセージを送れるのが魅力です。