退職代行トラブルの実態|事例からリスクと対策を完全網羅

退職代行を使えばスムーズに会社を辞められる…、そう考えて依頼したものの、実際には思わぬトラブルに巻き込まれる人も少なくありません。「退職成功率100%」のうたい文句につられて依頼すると、
「退職はできたものの出社する必要があった」
「毎日電話が来て、上司が自宅に押し掛けてきたが、業者は何もしてくれなかった」
「有給休暇を消化できなかった」
「追加料金を請求された」
など退職成功の裏には、期待していた退職とは大きく乖離していた利用者の声も数多く報告されています。特に民間業者を利用した場合は、非弁行為によるリスクやサポート不足で後悔するケースもあります。本記事では、退職代行で実際に起きたトラブルの事例を徹底解説し、リスクを避けるための業者選びや対処法まで詳しく紹介します。
退職代行で起こりやすいトラブル事例と利用者の声

退職代行を利用すれば簡単に辞められると思われがちですが、実際には思わぬトラブルに直面する利用者も多くいます。特に「即日退職できる」と説明されていたのに実現できなかったり、会社側の強い引き止めに遭いストレスが増してしまうケースは少なくありません。利用者の声を振り返ると、業者の対応不足や交渉力の欠如が原因となっている場合が目立ちます。
当初の打ち合わせの退職が実現できず出社する必要が出た
退職代行とのやり取りで「明日から出社しなくても大丈夫」と説明を受けたのに、実際には会社がそれを認めず「引き継ぎに最低1週間は出てほしい」と要求された例があります。民間の退職代行業者は法的交渉権限を持たないため、企業の要求を突っぱねることができず、結局本人が再び出社するはめになったという声もあります。このようなケースでは「依頼した意味がなかった」「逆に会社との関係が悪化した」と後悔する人が多いです。
有給消化を諦めることになった&膨大な量の引き継ぎをさせられた
本来なら労働基準法で守られている有給休暇の消化ですが、代行業者が「どうしても会社側が有給の手続きをしてくれない」と結果として有給をすべて捨てざるを得なかった利用者もいます。民間業者は法的説明ができないため、会社も強気の姿勢を崩さないケースが見受けられます。
さらに、退職代行業者のフォローが不十分だったため、退職直前に「通常の2倍以上の業務を引き継がされた」という事例もあります。精神的にも肉体的にも限界を迎えて退職を選んだはずなのに、最後まで過酷な状況に追い込まれるのは大きな問題です。
退職代行サービスの失敗事例から学ぶリスクと原因

退職代行の利用がうまくいかなかった事例を調べると、原因の多くは業者の信頼性や実績不足にあります。「安いから」「即日対応と書いてあったから」、「退職率100%とPRしていたから」という理由だけで選ぶと、後で大きなトラブルに発展する可能性があります。
民間業者による違法な非弁行為が問題となるケースが多い
退職代行業者の中には、あたかも有給や残業代の交渉ができるかのように宣伝しているところがあります。しかし実際には弁護士資格がない業者が交渉を行うことは「非弁行為」とされ、違法と解釈されるのが通常です。依頼者は「引き継ぎなしで即日退職できると聞いていたけどできなかった」、「残業代を回収できると案内されたのに途中で断られた」という不利益を被ることになります。
法律違反の行為は退職そのものを無効にされるリスクもあります。また、近年は全国的に退職代行サービスの認知度が広まったため、マニュアルを用意する会社も増えているようです。そのため、より正確かつ深い法的知識、および高度な交渉スキルを持つ業者に依頼する必要があります。
▶退職代行の非弁行為による辞められないリスクと対策を解説
実績不足の業者に依頼して交渉が失敗する事例が多発
退職代行は比較的新しいサービスのため、実績の浅い業者も多く存在します。経験不足の担当者にあたると、会社からの強い反論に対処できず、退職手続きが長期化したり失敗に終わることもあります。実際に「対応が不慣れで、会社に何度も連絡してもらったが結局進展しなかった」という利用者の声もあります。安心して退職を実現するためには、過去の実績や同じ業界・業種の代行経験を確認することが必要です。
退職代行業者との料金・対応を巡るトラブル事例

退職代行業者の全国的な増加により、料金や対応内容をめぐるトラブルも頻発しています。特に「低価格」を売りにする業者に依頼した人からは、「いろんなオプションが積み重なって結局高額になった」、「サポートがほとんどなかった」、「最安値はアルバイトの代行だった」といった不満の声が多く聞かれます。料金の透明性と対応範囲は、退職代行を選ぶうえで最も注意すべきポイントです。
▶退職代行サービスの費用は高い?料金相場と注意点を解説
退職代行業者から追加料金を請求された利用者の体験談
表向きは「3万円で対応可能」と案内されていても、実際に依頼すると「有給交渉はオプション」「会社への書類送付は別料金」、「3万円はアルバイトとパートの退職が対象」といった名目で次々に追加請求されるケースがあります。結果的に弁護士型の退職代行サービスと同等、あるいはそれ以上の費用がかかることも珍しくありません。ある利用者は「安さに釣られて依頼したが、最終的に10万円以上かかった」と後悔の声を上げています。このような事態を避けるためには、事前に料金体系を明確に説明してくれる業者を選ぶことが重要です。
退職金・有給休暇消化をめぐる退職代行トラブルの実例

退職代行を利用しても「退職金が支払われなかった」「有給休暇を消化できなかった」という声は多く聞かれます。本来は労働者の権利として守られるべき部分ですが、民間業者に依頼した場合は交渉できないため、結果として損をしてしまう利用者が後を絶ちません。
退職金を正しく受け取れなかった事例
ある介護職の利用者は退職代行を使って退職しましたが、会社から「自己都合退職だから退職金は出ない」と言われてしまいました。本来は勤続年数に応じて退職金が支払われる規定だったものの、代行業者は交渉できず、そのまま放置されてしまったのです。後から弁護士に相談すれば請求できた可能性が高いケースであり、正しいサポートを受けられなかったことで大きな不利益を被った典型例です。
▶退職代行で退職金を満額もらう!労働問題のプロが詳しく解説
有給休暇を消化できなかった利用者の声
「有給はすべて捨てるしかないと言われた」「退職日を会社が勝手に決めたため有給を使えなかった」という声もあります。労働基準法では有給休暇の取得は労働者の権利ですが、交渉権のない業者に依頼した場合、企業側が強硬に拒否しても対応できません。結果として数十万円分の有給を無駄にしてしまった利用者もおり、後悔の声は非常に多いです。
▶退職時に有給消化できないと言われたときの対処・解決方法
企業から損害賠償請求を受けた退職代行利用者のトラブル事例

退職代行を利用すると、企業から「損害が出た」と言われるケースもあります。ほとんどは法的根拠のない脅しに過ぎませんが、対応が甘い業者では依頼者を守りきれず、利用者が不安に陥ることもあります。
企業に脅されたが退職代行業者が助けてくれなかった
「突然退職されたことで業務に支障が出た。損害賠償を請求する」と会社から脅されても、民間の退職代行業者では何もできず「こちらでは対応できないのでご自身で弁護士に相談してください」と言われた事例があります。依頼者は「一番助けてほしい時に見放された」と感じ、大きな不信感を抱いたそうです。
民間業者から弁護士に切り替えて二度手間で費用もかかった
ある利用者は退職代行業者に依頼しましたが、会社とのやり取りでトラブルが発生し、結局弁護士に依頼し直しました。その結果、退職代行費用と弁護士費用の両方を支払うことになり、想定以上の出費となったそうです。最初から弁護士に依頼していれば一度で済んだだけに、強い後悔を抱いたと語っています。
退職完了後に発生する退職代行トラブル事例と回避方法

退職そのものは成立しても、退職後に発生するトラブルも多く報告されています。必要書類が届かない、違約金や損害賠償を請求されるといった問題に直面する人は少なくありません。上司の嫌がらせ程度であれば無視できるのですが、会社が本気で訴訟を起こそうと考えているケースもあるので、弁護士のような専門家に解決してもらうのがおすすめです。
退職後に違約金・損害賠償を請求された事例
退職代行を利用した後に、会社から「研修費用を返還せよ」「突然辞めたせいで大きな損害が出た」といった理由で違約金や損害賠償を請求されたケースがあります。実際にある利用者は、入社時に受けた研修に数十万円の費用がかかったとして、退職後に請求書を送りつけられました。法的には労働者が研修費を全額負担する義務はほとんど認められないのですが、法律知識がないまま対応してしまい、不安から分割で支払ってしまった人もいます。
また、別の事例では「欠員が出たせいで業務が回らず、クライアントとの契約違反が生じた」と会社が主張し、数百万円規模の損害賠償を求めてきたケースも報告されています。もちろん、こうした請求が裁判で認められることは非常に稀で、多くは脅しや嫌がらせに過ぎません。しかし、民間の退職代行業者では法的に対応できず、依頼者自身が不安にさらされてしまいます。弁護士に依頼していれば「請求に法的根拠はない」と正式に反論でき、不当な支払いを回避できたはずです。退職後のトラブルに備えるためにも、弁護士対応の退職代行を選ぶことが重要です。
▶退職後に損害賠償された。辞めた会社から請求が届く時の解決法
離職票を送ってくれずに途方に暮れた&代行業者がサポートしてくれない事例
退職後に次の転職活動や失業給付の申請を行うために必要となる離職票。しかし「会社から全く送られてこない」「催促しても無視される」といったケースは珍しくありません。ある利用者は退職から1か月以上経っても離職票が届かず、職業安定所(ハローワーク)で失業給付の手続きが進められず生活に困窮しました。
さらに問題なのは、こうした状況で退職代行業者に相談しても「退職完了後はサポート対象外です」と言われ、助けてもらえなかったという事例です。民間業者は書類請求や労務手続きに介入できないため、退職後のアフターサポートは手薄となります。そのため、利用者自身が労働基準監督署に出向いて会社へ行政指導を依頼するしかありませんでした。精神的にも金銭的にも追い込まれる中で「最初から弁護士に依頼しておけば、ここまで苦労しなかった」と後悔したと語る人もいます。
離職票の発行は会社の義務ですが、現実には嫌がらせや引き延ばしで交付が遅れるケースが多々あります。退職後の手続きをスムーズに進めるためには、弁護士が対応できる退職代行を選ぶことが重要です。
▶退職代行後に離職票がもらえない?トラブル回避完全ガイド
退職代行を即日利用した際のトラブル事例と注意点

「今日すぐにでも辞めたい」と思い立って退職代行を即日利用する人は少なくありません。しかし、即日退職には法的な制約があり、想定外のトラブルが発生するケースも多く見られます。ここでは即日退職に伴う代表的なトラブルと注意点を解説します。
即日退職を会社に拒否されたケース
ある利用者は退職代行を使って「今日から出社しない」と会社に伝えましたが、会社から「就業規則に反するため認めない」と拒否されました。法律上、退職の意思表示から少なくとも2週間は勤務義務があるため、会社に正当性がある場合もあります。このケースでは有給休暇を使って実質的に即日退職を成立させる必要があり、弁護士が介入すれば対応可能でした。
退職日をめぐる企業との認識の食い違い
「退職代行業者に即日退職を依頼したら、会社からは『退職日は2週間後だ』と言われて混乱した」という声もあります。労働基準法に基づけば、原則として退職日までは最低でも14日間の猶予が必要です。この認識のズレを業者が説明せずに放置したため、依頼者が不安になった事例です。法律に基づいた正しい説明がない業者に依頼すると、トラブルはより深刻化する傾向があります。
▶退職代行で即日退職できないケースとリスクの解決策を解説
退職代行でトラブルを懸念するなら弁護士法人みやびへ

退職代行に関するトラブルの多くは、民間業者の対応力不足や法的権限のなさに起因しています。未払い残業代や退職金、有給休暇の消化といった金銭的な権利を守るためにも、弁護士対応の退職代行を選ぶことが重要です。
弁護士法人みやびなら、豊富な実績をもとに法的根拠に基づいた確実なサポートを提供しており、トラブルを未然に防ぎ、安心して退職を進められます。無料相談も可能なので、まずは気軽に現状を相談してみるのがおすすめです。

佐藤 秀樹
弁護士
平成12年慶應義塾大学法学部法律学科卒。 平成15年に司法試験合格後、片岡法律事務所入所。
債権回収、相続問題といった一般民事事件から、M&A、事業再生、企業間取引
労務管理、知的財産権などの企業法務まで、数多くの実務に従事する。
平成19年からは慶應義塾大学法科大学院講師(実務家ゼミ担当)及び慶應義塾大学法学研究所講師を務める。
平成21年に弁護士法人みやびを開設し、現在に至る。
退職代行のトラブル事例に関するよくある質問
退職代行を利用すれば簡単に辞められると思われがちですが、実際にはさまざまなトラブルに巻き込まれるケースもあります。ここでは、実際の利用者の声や報告されたトラブル事例をもとに、よくある質問とその回答をまとめました。依頼前に確認しておくことで、リスクを最小限に抑えることができます。
退職代行を使えば必ずスムーズに退職できますか?
必ずしもスムーズに進むとは限りません。即日退職を希望しても、会社に拒否され出社を求められた事例もあります。弁護士対応であれば、法的根拠に基づいて交渉できるため安心です。
有給休暇を消化できなかったというトラブル事例はありますか?
はい、多く報告されています。民間業者には交渉権限がないため、有給取得を拒否されても対応できず「すべて捨てるしかなかった」という声もあります。
追加料金を請求されるケースは実際にあるのですか?
あります。「基本料金のみ」と説明されていたのに、有給交渉や書類発送で次々と追加料金を取られ、最終的に高額になったケースがあります。契約前に料金体系を確認しましょう。
会社から損害賠償を請求されることはありますか?
「研修費用を返せ」「欠員で損害が出た」といった請求を受けた事例があります。実際に裁判で認められることはほとんどなく、多くは脅しです。弁護士に依頼すれば不当な請求は退けられます。
退職後に離職票が届かないというトラブルはありますか?
はい。退職から1か月経っても離職票が届かず、失業給付の手続きができなかったケースがあります。民間業者は対応できず、最終的に労基署へ相談したという声もあります。
退職代行を利用しても上司が自宅に来ることはあるのですか?
あります。実際に「毎日電話が鳴り、上司が自宅に押しかけてきた」という声が報告されています。業者によっては対応してくれないため、弁護士型を選ぶことが安心です。
退職日をめぐる認識の違いでトラブルになることはありますか?
あります。「即日退職」と伝えたのに、会社から「退職日は2週間後」と言われたケースが典型です。労働基準法に基づくルールを理解している弁護士であれば、正しく説明し対応してくれます。
民間業者と弁護士対応の退職代行ではトラブル発生率に差がありますか?
はい。民間業者では「交渉不可」「サポート不足」によるトラブルが多く報告されています。一方、弁護士対応では法的に有効な手続きを踏むため、安心して退職を進められる傾向があります。
退職代行業者の広告で「成功率100%」は信じて大丈夫ですか?
注意が必要です。退職そのものは形式上成立しても、有給や退職金が認められなかった、追加料金が発生したといった「不完全な成功」が多くあります。実績や口コミを必ず確認しましょう。