当日の朝に退職代行は使える?今日から出社しない方法を解説

上司へ退職を言い出せない、パワハラで限界を迎えている、体調不良で出社できないなど、さまざまな理由から「今日から会社へ行かずに辞めたい」と考えるケースがあります。
結論から言うと、退職代行は当日の朝でも利用できます。また、状況によってはその日から出社せずに退職手続きを進めることも可能です。
ただし、退職代行へ依頼すれば必ず即日退職できるわけではありません。有給休暇の残日数や雇用形態、会社との関係によって対応方法は異なります。
この記事では、当日の朝に退職代行を利用した場合の流れや出社不要になる条件、注意点について弁護士の視点から詳しく解説します。
【結論】
- 退職代行は当日の朝でも依頼できる
- 多くの場合は依頼当日から出社せずに退職手続きを進められる
- 有給休暇が残っているとスムーズに退職しやすい
- 有給がなくても欠勤しながら退職できるケースはある
- 会社とのトラブルが予想される場合は弁護士への依頼が安心
当日の朝でも退職代行は利用できる

退職代行は当日の朝でも利用できます。実際に、「出勤時間まであと1時間しかない」「会社へ向かう途中で限界になった」という状況で相談する人も少なくありません。
退職代行業者や弁護士事務所によって対応時間は異なりますが、営業時間内であれば当日中に会社へ連絡し、退職手続きを開始できるケースがほとんどです。ただし、依頼したその日に退職が成立するとは限りません。まずは「当日から出社しなくて済むか」という視点で考えることが大切です。
出勤前の依頼でも対応可能
退職代行は出勤前の朝でも依頼できます。近年はLINEやメールで相談できる業者が増えているため、電話が苦手な人でも利用しやすくなっています。相談時には、勤務先の情報や雇用形態、希望する退職日などを伝えることになります。あらかじめ整理しておくと、その後の手続きもスムーズに進みます。
会社へ行く前に相談した方が良い理由
退職を決意しているのであれば、出社前に相談することをおすすめします。一度会社へ行ってしまうと、上司から引き止められたり、退職を思いとどまるよう説得されたりすることがあります。また、精神的に限界を迎えている場合は、出社そのものが大きな負担になることもあります。退職代行へ依頼することで、会社へ直接連絡する精神的負担を減らしやすくなります。
今日から出社しなくて済むケースは多い
退職代行へ依頼した場合、多くのケースではその日から出社せずに退職手続きを進めることが可能ですが、それはあくまでも「業者が会社責任者に電話連絡をした日」を境に、という意味となります。他の相談客で順番待ちになっていたり、退職時に交渉が必要なときなどは、当日の朝に依頼しても、その日中に会社への連絡が実現しないこともあります。
また、弁護士の提供する退職代行に依頼する場合は、法的な代理契約を結ぶ必要があるため、当日中の対応が難しいケースが多いです。
当日の朝に退職代行へ依頼した場合の流れ

退職代行に依頼する流れとして、まずは退職代行業者や弁護士事務所へ連絡します。勤務先の名称や連絡先、雇用形態、入社時期、退職理由などをヒアリングされるのが一般的です。また、有給休暇の残日数や会社とのトラブルの有無なども確認されます。当日対応を希望する場合は、その旨を最初に伝えておくとよいでしょう。
料金を支払い契約する
サービス内容と料金に納得できたら契約手続きへ進みます。近年はクレジットカード決済や銀行振込に対応している業者も多く、短時間で手続きを完了できます。契約後は会社へ伝えてほしい内容や、連絡を避けたい相手などを共有します。退職後に必要となる書類についても、この段階で確認しておくと安心です。
会社へ連絡してもらう
契約が完了すると、退職代行業者や弁護士が会社へ連絡します。依頼者本人に代わって退職の意思を伝え、今後の連絡方法や貸与物の返却方法なども確認していきます。会社との関係が悪化している場合でも、自分で電話をする必要はありません。精神的な負担を大きく減らせる点は、退職代行を利用する大きなメリットの1つです。
その後は出社せず自宅待機
会社への連絡が完了した後は、基本的に出社せずに退職手続きを進めることになります。有給休暇の消化や欠勤期間を経て退職日を迎えるのが一般的です。退職届の提出や貸与物の返却は郵送で行うこともできます。そのため、会社へ足を運ぶことなく退職が完了するケースも少なくありません。
退職完了&アフターサポート期間
退職完了後はアフターサポートを用意している業者もあります。退職後に「離職票が会社から送られてこない」、「上司から嫌がらせの電話を受ける」、「会社から損害賠償を請求された」といったトラブルが最初から想定される場合は、弁護士に退職代行を依頼するのが推奨されます。
当日の朝に依頼しても会社へ行かなくていい?

「退職代行へ依頼したら、もう会社へ行かなくていいのですか?」という質問は非常によくあります。実際、このキーワードで検索する人の多くは、退職日そのものよりも「今日の出社を避けたい」と考えています。
結論から言うと、多くの場合は当日から出社せずに退職手続きを進めることが可能です。ただし、有給休暇の有無や会社との関係によって対応は異なるため、自分の状況に合わせて判断する必要があります。
有給が残っている場合
有給休暇が残っている場合は、基本的に当日から有給消化に入ることで出社せずに退職することになります。例えば、有給が10日残っていて退職の意思を伝えた場合、そのまま有給消化を行いながら10日後に退職日を迎えます。一部の会社では有休を使わせないと言ってくるところもありますが、有給休暇は国が付与する労働者の権利となるので、会社が拒否することは基本原則できません。
有給がない場合
有給休暇が残っていない場合でも、退職代行を利用できないわけではありません。退職の意思を伝えた後、退職日まで欠勤扱いとなるケースもあります。この場合は欠勤期間中の給与は発生しませんが、出社せずに退職手続きを進めることができます。ただし、ほとんどの会社は辞める意思のある従業員の社会保険を払うのは無意味と考えるため、有給がない場合は、当日退職で話し合うことになります。
当日の朝に退職代行を使う人に多い状況

退職代行を当日の朝に利用する人の多くは、以前から退職を考えていたものの、なかなか言い出せなかったケースです。そして出勤当日になり、「もう限界だ」「今日はどうしても会社へ行けない」と感じて相談へ至ります。ここでは、実際によくある相談内容を紹介します。
パワハラで限界を迎えている
上司からの暴言や人格否定、過度な叱責などのパワハラを受けている人は少なくありません。退職を伝えようとしても、「辞めるなら損害賠償だ」「後任が見つかるまで認めない」などと言われ、身動きが取れなくなっているケースもあります。このような環境では、退職の話を切り出すこと自体が大きな精神的負担になります。そのため、当日の朝になって退職代行へ相談する人も多くいます。
出勤すると辞められなくなると感じている
退職の意思は固まっていても、出勤すると上司に引き止められたり、説得されたりすることがあります。また、人手不足の職場では同僚への罪悪感から退職を言い出せなくなることもあります。「今日会社へ行ったら、また辞めるタイミングを逃してしまう」と感じている人は少なくありません。そのような場合、出勤前に退職代行へ依頼することで状況を変えられることがあります。
体調不良で出社できない
精神的なストレスや長時間労働が続くと、朝になると体が動かなくなることがあります。実際に、吐き気や動悸、不眠、強い不安感などを抱えながら出勤を続けている人もいます。無理に出社を続けることで症状が悪化することもあるため注意が必要です。すでに出社が困難な状態であれば、一人で抱え込まずに専門家へ相談することも検討してください。
当日の朝に退職代行を利用する際の注意点

退職代行は当日の朝でも利用できますが、依頼するタイミングや状況によっては注意が必要です。慌てて依頼すると、その後の手続きがスムーズに進まないこともあります。少しでも安心して退職手続きを進めるために、事前に確認しておきたいポイントを紹介します。
24時間対応と即時対応は違う
民間の退職代行業者のホームページには「24時間受付」と記載されていることがあります。しかし、これは24時間いつでも会社へ連絡してくれるという意味ではありませんし、深夜でも担当者に相談できるわけでもありません。多くの場合、LINEやメールでの相談受付が24時間可能という意味なので、返信は翌日以降の営業時間内です。
会社の始業時間前に連絡する
当日の朝に依頼する場合は、できるだけ早い時間帯に相談することをおすすめします。会社の始業時間直前や始業後になると、対応が間に合わないこともあります。退職代行業者も朝の時間帯は相談が集中する傾向があるので、確実に指定する日に辞めたいのであれば、数日前の相談を心掛けてください。
当日の朝に退職するなら弁護士へ相談した方が良いケース

当日の朝に退職代行を利用する人の中には、単に退職の意思を伝えるだけでは解決しないケースもあります。会社との関係が悪化していたり、退職後のトラブルが予想されたりする場合は、最初から弁護士へ相談した方が安心できることがあります。ここでは、弁護士の退職代行を検討した方がよい代表的なケースを紹介します。
会社と揉めそうな場合
退職を伝えた際に強い引き止めが予想される場合は注意が必要です。「辞めるなら損害賠償を請求する」「後任が決まるまで認めない」などと言われている人もいます。このようなケースでは、退職の意思を伝えるだけでなく、その後の対応も見据える必要があります。会社とのトラブルが予想される場合は、法律の専門家へ相談した方が安心です。
損害賠償を示唆されている場合
退職を申し出た際に、会社から損害賠償や違約金について言及されることがあります。実際に請求が認められるかどうかは別問題ですが、不安を感じる人は少なくありません。また、未払い残業代や退職金など金銭に関する問題がある場合は、会社との交渉が必要になることもあります。このような場面では、民間の退職代行では対応できないケースがあります。
退職後の書類が心配な場合
離職票や源泉徴収票、雇用保険被保険者証などは、退職後の転職活動や各種手続きで必要になる重要な書類です。しかし、会社との関係が悪い場合は、書類の発送が遅れたり、なかなか対応してもらえなかったりすることがあります。また、会社に私物が残っている場合や、貸与物の返却でトラブルになるケースもあります。退職後まで見据えてサポートを受けたい場合は、弁護士による退職代行も選択肢の1つになるでしょう。
まとめ:当日の朝でも退職代行で出社せずに退職は可能
当日の朝であっても、退職代行へ依頼することは可能です。実際に「もう会社へ行けない」「今日から出社したくない」という状況で相談する人は少なくありません。
ただし、会社との関係が悪化している場合や、損害賠償を示唆されている場合、退職後の書類や私物返却でトラブルが予想される場合は注意が必要です。当日の朝に退職を決意するほど追い詰められているのであれば、一人で抱え込まずに専門家へ相談することも検討してください。
弁護士の退職代行であれば、退職時だけでなく退職後のトラブルにも対応できるため、安心して新しい一歩を踏み出しやすくなるでしょう。

佐藤 秀樹
弁護士
平成12年慶應義塾大学法学部法律学科卒。 平成15年に司法試験合格後、片岡法律事務所入所。
債権回収、相続問題といった一般民事事件から、M&A、事業再生、企業間取引
労務管理、知的財産権などの企業法務まで、数多くの実務に従事する。
平成19年からは慶應義塾大学法科大学院講師(実務家ゼミ担当)及び慶應義塾大学法学研究所講師を務める。
平成21年に弁護士法人みやびを開設し、現在に至る。





