弁護士法人みやび

試用期間中に退職を決断するのは、多くの人にとって気まずい状況です。しかし、働き続けることが難しいと感じる場合、むしろ「試用期間中にこの会社が自分に合わない」と分かって幸運だったともいえます。

今回は試用期間中に退職する際の適切な手順や注意点、トラブルを避けるための方法について詳しく解説します。また、「円満退職が難しい」、「上司が辞めさせてくれない」といった場合の緊急解決方法も紹介します。

試用期間で会社を辞めるのが気まずい理由とは？

試用期間中に退職を決断することは、多くの人にとって気まずさを感じる原因となります。その理由は、入社して間もないタイミングの退職は、職場や上司に対して「期待を裏切る」、「社会人として常識外れ」という印象があるからです。また、短期間での退職が職歴に影響を及ぼすのではないかと不安に感じる人もいます。

さらに、試用期間中は職場の雰囲気や仕事内容に慣れる段階であるため、「まだ十分に状況を判断できていないのでは」と自分を責める気持ちが生まれることもあります。しかし、職場環境が合わない場合や体調面の問題など、退職を検討すべき理由がある場合は、気まずさを乗り越えて行動する必要があります。

気まずいけど試用期間で会社を辞めることを決めた理由ときっかけ

試用期間中に会社を辞めることを決断する理由やきっかけは幾つかあります。定番は仕事内容や給与、福利厚生が入社前の説明と異なる場合や、職場の雰囲気が合わない場合です。また、業務内容が自分のスキルや適性に合っていないと感じた場合も、退職を検討する大きな理由となります。

さらに、人間関係や職場環境が原因でストレスを感じる場合や、健康上の問題が生じた場合も試用期間中でも退職を決断する要因となります。

気まずいけど試用期間中に会社を辞めたい。メリットとデメリットを解説

試用期間中に会社を辞めることには、メリットとデメリットの両方があります。

試用期間中に辞めるメリットとしては、会社とのミスマッチを早期に解消できることや、短期間で新たな職場探しに移行できる点が挙げられます。また、長期間働き続けることで深刻なストレスや健康問題が生じる前に対処できることもメリットの一つです。

一方で、試用期間中に会社を辞めるデメリットは、職歴が短期間で終わることで履歴書の印象が悪くなる可能性や、次の職場への採用において不利になるリスクがあります。また、何よりも「職場の上司に退職の意思を伝えるのが気まずい」ことが挙げられます。

退職を決断する際は、自分にとってのメリットとデメリットを慎重に検討する必要があります。

気まずいけど試用期間中に退職を申し出る適切なタイミング

試用期間中に職場の上司に退職を申し出る際は、タイミングが非常に重要です。法律上は、試用期間中でも退職の意思を伝えることで退職可能ですが、少なくとも退職日の2週間前までに伝えることが望ましいとされています。これは民法627条にて「無期雇用の労働者は退職の意思を会社に伝えた2週間後に労働契約を解除できる」ことにあります。

通常の退職時における適切なタイミングとしては、仕事が一区切りついたときとなりますが、試用期間であれば、直属の上司との面談が予定されているときに退職の意思を伝えるのが良さそうです。面談時に退職の意思を伝えることで、上司にはぐらかされたり、無暗に引き止められる心配がなく、また突然の退職による職場や会社への迷惑を最小限に抑えることができます。

試用期間は会社が従業員の能力を確認する場というだけではなく、従業員が会社を見極める期間とも言い替えることができるので、気まずい、恥ずかしいと思う必要はありません。

試用期間中に会社を辞めるときの気まずくない言い方と注意点

退職を伝える際は、できるだけ誠実かつ明確に意思を伝えることが重要です。試用期間中に会社を辞める社員は決して少なくありませんので、上司や人事担当者は面談時の雰囲気で察するはずです。

そのため、家庭の事情や健康上の理由などで言い訳するよりは、素直に自分にどうしても仕事が合わないことを伝えるのが良いでしょう。また、その際はなるべく円満に話を進めるため、職場環境や人間関係に対して直接的な批判は避けるべきです。

また、試用期間中であっても会社の手続き上退職届が必要な場合が多いため、予め用意しておくのも良いでしょう。

気まずいけど試用期間中に辞める際の手続きと給与に関する基本知識

気まずいけど試用期間中に退職を考えた際には、退職手続きや給与に関する基本知識を把握しておくことが重要です。退職がスムーズに進むよう、必要な手続きやポイントを解説します。

1. 職場の上司に退職の意思を伝える

試用期間中に退職を決断したら、まず直属の上司に相談して退職の意思を伝えましょう。この際、辞めたい理由を明確に説明し、誠意を持って話すことが大切です。

2. 退職届を提出する

口頭で退職の意思を伝えた後、正式に退職届を作成して提出します。退職届には以下のポイントを記載してください。

• 提出日
• 退職希望日
• 簡潔な退職理由（具体的な詳細は不要）
• 自分の名前と押印

退職届のフォーマットは会社によって異なる場合があるため、事前に確認することをおすすめします。

3. 業務の引継ぎを行う

試用期間での退職では業務の引き継ぎは基本的にありませんが、もしある場合はリスト化したりマニュアル作成を進めます。引継ぎを書面にてしっかり行うことで、同僚や職場への負担を軽減でき、円満な退職に繋がります。

4. 退職時の手続きと書類の確認

退職前に、人事部と必要な書類や手続きを確認しましょう。退職後に受け取るべき書類や社会保険の手続きなどを漏れなく確認することが大切です。

5．給与の取り扱いについて話し合う

試用期間中であっても、労働基準法に基づき給与は支払われます。以下のポイントを把握しておきましょう。
◇給与の支払いタイミング
退職後も、勤務した期間に応じた給与は通常の支払い日または指定された日までに支払われます。試用期間中でも通常の給与計算が行われますので、不安な場合は人事部に確認しましょう。

◇社会保険料の清算
退職月の給与から社会保険料が差し引かれます。退職後に転職や失業保険の手続きを行う際、保険料の支払い状況が重要になりますので、清算内容を確認してください。

試用期間中に辞めたいけど気まずい時に活用できる退職代行サービス

試用期間中に退職を決断しても、直接上司や同僚に辞める意思を伝えるのは気まずく、精神的に大きな負担になることがあります。

また、単に気まずいだけでなく、「退職を伝えたら上司に怒られて辞めさせてくれない」、「社会人として根性がないと叱咤された」と会社を辞められない状況に陥っている人もいます。

そんな時に活用できるのが「退職代行サービス」です。退職代行を利用することで対人でのやり取りを避け、スムーズに退職手続きを進めることが可能です。ここでは、退職代行サービスの仕組みと利用のメリット、注意点について詳しく解説します。

退職代行サービスの仕組みと利用するメリット

退職代行サービスとは、依頼者に代わって職場に退職の意思を伝え、手続きの代行を行う近年様々なメディアで注目されているサービスです。退職代行の一番のメリットは、上司や同僚との気まずいやり取りを避けられるほか、短期間で退職手続きを進めることができることにあります。

1. 気まずい対人関係を回避
   退職代行サービスが職場とのやり取りを代行するため、上司や同僚に直接会わずに済みます。特に人間関係が複雑な職場や、厳しい上司がいる場合に効果的です。
2. 迅速な退職手続き
   試用期間中でも法律上は2週間後の退職が認められていますが、会社によっては拒否されるケースもあります。法律事務所の提供する退職代行では弁護士が直接会社に連絡するため、大抵の会社は手の平を返すかのうように迅速に手続きをしてくれます。
3. 精神的な負担の軽減
   退職に伴うストレスや不安が軽減され、次のキャリアへの準備に集中できます。退職代行を利用することで、退職後のトラブルを未然に防ぐことも可能です。ただし、それには弁護士が介入する退職代行の利用が必要となります。

退職代行サービスを選ぶ際は、信頼性が高く実績のある業者を選ぶことが大切です。弁護士が運営するサービスであれば、法的なサポートを受けられる場合もあるため、安心して利用できます。

まとめ：試用期間中に辞めたいけど気まずい場合は弁護士法人みやびへ相談を

試用期間中の退職は、気まずさを感じる場面が多いですが、法的に問題があるわけではありませんし、適切な手順と誠実な対応で円満に退職することが可能です。また、自力では円満退職が難しい場合は、退職代行への依頼がおすすめです。ただし、退職代行を選ぶ際は、法律事務所の提供する代行サービスを選び、弁護士に退職手続きをお願いするのがトラブル回避のコツです。

弊所「弁護士法人みやび」は退職代行を古くから実施している老舗の法律事務所です。実際の対応は労働問題を専門とする弁護士が直接介入するので、希望日までの確実な退職が可能です。

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