退職代行サービスの成功率と業者の選び方
近年は退職代行を検討する社会人の増加に伴い、退職代行サービスを提供する業者の数も増えています。しかし、退職代行を初めて利用する人の中には、「退職代行の成功率ってどのくらい?」、「どこの業者に頼んでも成功率は変わらないの?」と疑問視する人もいるでしょう。
そこで、ここで退職代行の成功率の見方と注意点、業者を選ぶポイントを紹介します。
退職代行サービスとは?平均の成功率はある?
退職代行とは「会社を辞めたくても辞められない」人に向けて、代行業者の担当者が依頼者に代わり会社に電話介入して退職手続きをするサービスとなります。日本では零細中小といった小規模事業者が多く、中には労働法を守らない悪質な業者も存在します。
また、「ストレス社会」と揶揄される日本企業で働くサラリーマンの多くが日々心身をすり減らし働いているのが現状で、「もう明日にでも辞めたい」、「契約社員だけど満了前に契約解除したい」、「会社から損害賠償を請求されている」といった問題に直面している人に向けたサービスが退職代行となります。
退職代行は2010年代より注目されているサービスとなりますが、これまで退職代行による成功率の統計は残念ながらないため、平均値を割り出すことはできません。
退職代行サービスの成功率100%は信用していいのか?
退職代行サービスを提供している会社は主に「弁護士事務所と民間企業」で、全国に100社以上存在すると言われています。退職代行業者の多くは自社のホームページや広告で「成功率100%」、「成功率99%」を謳っていますが、実際にこの成功率は信用していいのでしょうか?
退職代行業者の多くが成功率99~100%の理由
退職代行業者の多くが成功率99~100%を謳っていますが、その理由は「日本の法律に基づき労働者はいつでも退職できる」ことが背景にあります。日本の民法627条および628条には以下条文があります。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
民法627条 民法電子版(総務省)
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法628条 民法電子版(総務省)
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
上記は無期雇用(正社員)及び有期雇用(契約社員)に向けた法律で、上記民法によって日本で働く労働者は手厚く保護されており、会社側は従業員の退職に対して引き止める権利を持ち合わせていません。
退職代行の成功率「99~100%」というのは上記が理由となりますが、しかしながら民間企業が提供する退職代行ではしばしば「失敗」ととれる事例が報告されています。
退職代行の成功率99~100%でも失敗と判断できる事例
退職代行の成功率99~100%を謳う民間企業であっても、「退職代行に依頼しなければよかった」、「こんなことなら弁護士に依頼すればよかった」と失敗と見て取れる事例も相次いで報告されています。
- ホームページに記載料金からオプションが次々に追加され高額になった
- 急ぎの要件にも関わらず業者の担当者とぜんぜん連絡が取れない
- 辞めたい日に辞められず、結局1か月間出勤することになった
- 出社したくないのに、退職するために上司と面談することになった
- 退職代行完了時に会社から損害賠償を請求されたけど、業者は「業務範囲外」と対応してくれず困り果てた
「辞めることはできたけど即日退職できなかった/会社に出社する必要があった/トラブルに対応してくれなかった」といった問題が発生すると、依頼者にとっては到底「退職代行に依頼して良かった」と思うことはありません。「退職代行の成功率99~100%」と謳う業者の裏には、上記のようなトラブル・背景があることは覚えておくと良いでしょう。
退職代行の弁護士と民間企業の費用/料金
退職代行は弁護士事務所と民間企業が提供しており、依頼を検討している人の多くが「費用/料金」を気にしていることでしょう。
費用/料金の目安 | |
弁護士事務所 | 5万~8万円 |
民間企業(労働組合含む) | 3万~8万円 |
弁護士と言えば高いイメージがありますが、退職代行に関しては民間企業とそれほど大差はありません。また、民間企業の中には2~3万円で依頼できる業者もありますが、大抵は「最安値はアルバイトやパートだけ」、「即日退職は別途オプション料金」、「有休消化は別料金」といった形で実際の請求金額は異なることがあるようなので注意が必要です。
成功率だけじゃない。退職代行業者の選び方
上記で説明したように、成功率だけで退職代行業者を選ぶのは非常にリスクがあることが分かります。そこで、退職代行業者を選ぶにあたっては以下を参考にしてみてください。
弁護士の有資格者が直接会社に電話介入してくれるかどうか
民間企業の中には「弁護士監修」を謳っているところもありますが、あくまでも弁護士が相談役にいるだけで、実際に退職代行の介入をするのは弁護士資格を持たないスタッフとなります。また、弁護士事務所であっても、電話介入を事務員にやらせているところもあるようです。
トラブルが遭ったときの対応範囲
弁護士事務所に依頼すれば、どのようなトラブルにも対応可能ですが、民間企業に依頼する場合、有休消化や未払いの残業代、給与の請求、損害賠償を請求された/請求するといった対応ができません。
そのため、民間企業に依頼するケースは一般的にアルバイトやパート、もしくは相手企業がコンプライアンスを徹底する所謂ホワイト企業であることが前提と考えられます。
退職代行の依頼は弁護士法人みやびへ
弁護士法人みやびは黎明期から退職代行サービスを提供している老舗の弁護士事務所です。労働問題を専門に扱っている法律事務所となり、これまであらゆる業界・業種で働く人の退職の実績があります。
退職代行みやびのメリット:確実な退職と無料転職サポート
100%の成功率はもちろん、弁護士だから可能な各種請求やトラブル、即日退職にも対応しているほか、退職後には「会社から嫌がらせを受けている」、「会社が離職票を送ってくれない」、「転職したいけどブラック企業で働くのが怖い」といった相談にも対応が可能です。