退職日は指定できる?得する日や会社に断られたときの対応を紹介
会社を辞めたい人の中には、退職日を指定したい場合もあるでしょう。すでに転職先が決まっている人は、出社日が決まっているため、それより前に辞めなければなりません。
また、「退職日は月末より1日前に指定するのが得なの?」という意見もあります。
そこで、ここでは退職日を指定したいときの対応方法や、会社から断られたときの相談先、やるべきことを紹介します。
この記事で分かること
- 従業員は退職日を自由に指定できる
- 会社に引き留められたときの対応方法
- 就業規則に「3か月前の申告」とあっても守る必要はない
- 退職日は月末と月末1日前のどちらが得するか
- 退職日の指定を会社に断られたときは退職代行に相談がおすすめ
従業員は会社を辞めるときに退職日を自由に指定できる
結論から言うと、従業員は会社を辞めるときに退職日を自由に指定できます。ただし、会社側と努めて円満退職を目指す人は、会社上司の意向も最大限配慮するのがおすすめです。
「繁忙期だから年末まで待ってくれ」と言われた場合は断ることができる?
よくあるトラブル事例としては、上司から繁忙期を理由に退職を引き延ばしにされることです。会社は従業員の合意なしに勝手に退職日を指定することはできません。ただし、お願いベースであれば無論かまいませんので、会社の意向を汲んで退職日をずらすかどうかは従業員次第となります。
ただし、繁忙期だから辞めることはできないことはありません。
退職日を指定したら「損害賠償を請求する」と言われた時の対処法
一方で劣悪な職場環境や会社体質によっては、繁忙期で辞める従業員に対して「いま辞めたら損害賠償請求するよ」と脅しのような引き止め方をするところもあります。確かに会社は損失を受けた分を従業員に対し損害賠償を請求できるものと考えられますが、退職したことと会社が直接損失を被ったことの因果関係の立証が必要となり、現実的ではありません。そのため、このような脅しに対しては毅然とした対応を取るべきと言えます。
会社の就業規則では「3か月前に退職」とある場合はどうする?
会社の就業規則の中の退職規定を確認すると「従業員は会社を辞める3か月前に上司に申し出る」とある場合、退職日は指定できないのでしょうか?また、3か月も待てない場合はどうすればよいのでしょうか。
結論から言うと、就業規則の3か月前の退職申告はあくまでも会社の内部ルールとなります。1か月前の申告であれば合理性が認められることもありますが、3か月前という長さは現実社会を反映していないとされるのが一般的です。
民法627条「退職2週間の法則」とは
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
民法627条 民法電子版(総務省)
民法627条によると、無期雇用のの正社員は会社に退職を伝えた2週間後に辞めることができるとあります。そのため、2週間後以降であれば、従業員は退職日を指定して会社を辞めることができます。民法は法律となるため、上記就業規則より優先されます。
退職日を指定するとき得する日はある?月末と月末1日前の違い
退職日を指定する際、得する日は「月末付けの退職」です。よく言われるのは「月末の1日前の辞める方が得」と言われている所以は社会保険料の支払いが2カ月分掛かってしまうことにありますが、そもそも社会保険料は会社の支払いが大きいため、従業員にとっては月末で辞めた方が相対的に得します。
一方で月末より1日前に辞めた場合は、社会保険の支払いは1か月分で済みますが、減った1か月分は個人として国民年金及び国民健康保険として100%自己負担で支払うので、結果的にみると月末退職の方が得します。月末1日前の退職で得するのは従業員ではなく会社の方と言えます。
退職日の指定を会社に断れたときの対処法
上記で解説したように、法律的には従業員が退職日の指定をすることに問題はありませんし、それに対して会社は拒否することができません。
では、職場の上司が指定した退職日を断ってきた場合、従業員はどのような対応・手段を用いることができるのでしょうか。
労働基準監督署への相談が難しい理由
まず最初に思いつく手段として、労働基準監督署への相談が挙げられます。労働基準監督署は全国の都道府県に窓口を設けている厚生労働省の出先機関となります。労働法や民法に違反した会社への勧告や是正処置が可能となりますが、今回のケースでは解決が困難な可能性が高いです。
上述した民法627条により、従業員は退職を申し出た2週間後にいつでも労働契約を解除できます。そのため、「辞めたいけど辞められない」状況にあることは法律に矛盾しているため、相談者に対しては民法のアドバイスをするに留まる可能性が高いでしょう。また、労働基準監督署の会社に対する措置は、特殊な事情がない限り強制力がありません。
自力で辞めるときはメールが効果的なケースも。ただしリスクも高い
直接上司に申し出ても退職日を指定できない場合は、メールを送付することで退職も可能です。メールの文面には1.指定した退職日、2.有給休暇の消化、3.出社はしない旨を必ず記載しましょう。
ただし、会社側が退職の手続きをしないリスクも危惧されます。「一度面談が必要」、「辞めてもいいけど有給消化はできない」など、こちら側が大きな譲歩を求められることもあります。
退職代行を利用すれば退職日の指定や手続きをすべて代行してくれる
近年メディアで注目されている退職代行サービスの利用も効果的です。退職代行に依頼すれば、指定した日に退職できるだけでなく、有給休暇の消化や未払いの残業代、退職金請求なども代行してくれます。
ただし、一般の退職代行業者は金銭の交渉が法律でできません。各種請求や金銭トラブルに発展しそうなケースでは、必ず弁護士の提供する退職代行を利用するようにしてください。
指定した日に退職したいなら「弁護士法人みやび」に相談を
弁護士法人みやびは東京に拠点を置く法律事務所です。労働問題を専門として、これまで数多くの退職代行の実績があります。退職時に発生するあらゆるトラブルにも対応しているほか、退職完了後に「離職票が送られてこない」、「会社から損害賠償を請求された」といったケースも無期限で対応できます。
弁護士法人「みやび」は全国の「会社を辞めたいけど辞められない」人に退職代行サービスを提供しています。LINE無料相談・転職サポート・残業代等各種請求にも対応しており、2万7500円(税込)から承っています。まずはお気軽にご相談ください。
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