会社・上司から弁護士を立てると言われた時の対処法
会社を退職する際や業務ミスを犯して会社や上司とトラブルに発展した際「弁護士を立てる」と言われることもあります。ここでは会社が弁護士を立てたときの対処法を解説します。
会社や上司から「弁護士を立てる」と言われるケースとは?
会社や上司から「弁護士を立てる」と言われるケースはどのような場面が考えられるのでしょうか?
1.問題社員を解雇したい場合
度重なる業務怠慢やミス、無断欠勤、及び会社側に明確な損失を与えた場合などは、上司は会社の上層部と相談して当該社員の解雇手続きを検討することがあります。しかし、日本で働く労働者は、民法と労働法によって手厚く守られており、会社側が独断で社員を解雇しようとすると、裁判で解雇無効や損害賠償の支払い請求が下る可能性もあります。会社の信用失墜を防ぐため、事前に弁護士立てて法律に則って速やかに解雇をすすめるケースが考えられます。
2.会社が社員に対して損害賠償を請求したい場合
会社が社員に対して損害賠償を請求する事例は多々あります。業界であれば運送業が多く、ドライバーの社員が対人事故を起こし、被害者が会社に損害賠償を請求し、その後会社が社員に請求するケースが見受けられます。また、社員が在職中に物損事故などを起こし、会社側に明確に損失を与えた場合、社員が退職すると同時に弁護士を立ててこれまでの損失分を請求することもあります。
いずれも法的に会社側は社員に対して正当に損害賠償請求する権利を有していますので、もし弁護士を立てられた場合は、こちらも弁護士を立てて交渉に当たらなければ、いいように請求額が膨らんでしまいます。
会社の「弁護士を立てる」は単なる脅しのケースが多いが解決は必要
上司や会社から「弁護士を立てる」と言われると焦ってしまいますが、この時点で既に会社が弁護士に依頼しているケースはほとんどなく、単なる脅しとみていいでしょう。通常、会社が弁護士を立てたあとは、弁護士から社員に内容証明郵便にて通知書=受任通知書が送られ、示談を含む交渉ごとは弁護士に連絡することになります。
一方で上司や会社が「弁護士を立てる」と言う言葉から本気度が伝わってくるのであれば、何かしらアクションを起こさないと、本当に弁護士から損害賠償請求があるかもしれません。
従業員による業務上のミス・損害は会社も負担しなければならない
会社側は特定の条件を基に社員に対して合法的に損害賠償請求が可能です。しかし、損失を負った満額を請求できるわけではありません。会社側が従業員に損害賠償を求める際は「使用者責任と報償責任の法理」が考慮されます。これは、「会社は社員の業務により利益を得ることができるが、損失も享受しなければならない」ことを意味し、言い換えれば「社員のもたらす利益だけを受け取り、損失は拒否・請求することは許されない」とも解釈できます。
会社から「弁護士を立てて損害賠償を請求する」と言われたときの適切な対処法とは?
会社から「弁護士を立てたから」と言われた場合、まずは弁護士から送られてくる通知書を確認してください。弁護士から直接アポイントがある場合は、なるべく早く応じるようにしてください。また、通知書には弁護士事務所の所在地や連絡先、弁護人の携帯番号などの記載もあるはずなので、社員から連絡を取りたい場合はこちらを利用してください。
一人で会社側の弁護士事務所には行かない
弁護士は法律のプロであり、損害賠償含む労働問題の専門家となります。素人がホームとなる相手事務所に行くと、プレッシャーと緊張、雰囲気に呑まれてしまい、正常な判断やこちらの意見・意向を提示できなくなります。
社員側も弁護士を立てる
会社側が正式に弁護士を立ててきた場合は、こちらも弁護士に交渉を依頼するのが適切な対処法となります。弁護士費用は掛かりますが、会社の言いなりになって、言われた額の損害賠償を支払うよりはずっと費用は抑えられるはずです。
会社から弁護士を立てると言われる悩み:弁護士法人「みやび」に相談を
会社から弁護士を立てると脅された場合、放置すると本当に損害賠償請求される可能性があります。「弁護士法人みやび」では、会社の退職手続きを代行する退職代行、及びそれに伴う各種請求・対応も可能です。会社から弁護士を立てられる、あるいは脅されてしまうと、その職場に残り続けるのは現実的ではありません。その場合、会社側の弁護士の対応を注視しつつ、なるべく早く退職するのが心身の負担を軽減するコツとなります。
しかし、退職する際は「有給休暇の消化」や「未払いの残業代の請求」、「退職金の請求(退職金制度ががあり受給条件を満たしてる場合)」も従業員の権利としてしっかりと請求すべきです。「これ以上会社を怒らせたくないから、有休は諦めるよ」などと泣き寝入りする必要はありません。
弁護士法人みやびではEmailとLINEにより無料相談を請け負っています。まずは自身が置かれている状況を整理して、解決策を模索してみるのはいかがでしょうか。