会社が罰金を従業員に強要。違法性と退職を含めた解決方法

会社が罰金を従業員に強要。違法性と退職を含めた解決方法

会社が従業員のミスに対して罰金の支払いを命じてくるケースがあります。今回は職場に蔓延る罰金制度の違法性とスムーズな退職や問題解決方法を紹介します。

会社の職場にある遅刻等のペナルティによる罰金制度

会社の職場にある遅刻等のペナルティによる罰金制度

零細中小といった企業の中には、職場の独自のルール・慣習で「罰金制度」を設けているところも少なくありません。よくある例としては、「遅刻をしたら罰金」、「無断欠勤したら〇〇円の罰金」、「カラーコピーミスをしたら自腹」、「納品物を紛失したら弁償」といったルールが見受けられます。

それ以外にも自分では気づいていなくとも、よくよく考えれば「あの罰金制度は納得いかない」という職場の独自制度があるところは決して少なくありません。

会社の罰金・罰則制度の違法性「賠償予定の禁止(労働基準法)」

会社の罰金・罰則制度の違法性「賠償予定の禁止」

上記のように、予め何かのトラブルやミスに関して会社側が従業員に対して決められた罰金や罰則を設ける行為は、労働基準法第16条の「賠償予定の禁止」に抵触することとなり、違法となります。

賠償予定の禁止は具体的には「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と定められています。

例えば「10分遅刻するごとに罰金1000円」、「納品物の紛失及び客先から賠償請求されたら、その分を支払う」、「1年未満に退職したら退職時に10万円支払う」といった罰金や罰則規定が上司から伝えられた場合は労働法違反となります。

会社の罰金で減給された場合の違法性。従業員は人事に相談を

会社の罰金で減給された場合の違法性。従業員は人事に相談を

会社によっては遅刻などミスをしたときは、現金で払うのではなく、給料から天引き(減給)されるケースもあります。しかし、これも上記で解説した労働基準法第16条の「賠償予定の禁止」に抵触することになります。

職場に罰金制度が蔓延している場合の解決策の1つとして「人事部に相談」するのがまず第一にやるべきことです。職場における罰金は部署の上司が勝手に作ったルールで、人事や本社/本部の人間は関知していないかもしれません。罰金が法的に禁止されているのは上層部の管理者であれば必ず理解しているはずなので、コンプライアンスを意識した普通の企業であれば、罰金ルールは許さないはずです。

「無断欠勤」を理由に会社が従業員から罰金を取るのも違法?

「無断欠勤」を理由に会社が従業員から罰金を取るのも違法?

一方で会社側の言い分を聞いてみると「無断欠勤をしたから罰金や減給は法的にも妥当」と考えているところもあります。まず、日本の法律は原則「ノーワーク・ノーペイ」となるため、無断欠勤した日数に関して会社は給与を支払う必要はありません。一方で無断欠勤する前の出勤日数分の給与は支払わなければなりません。

また、無断欠勤を理由に会社が従業員に対して懲罰的に減給措置を取った場合は違法性が高くなります。例えば無断欠勤が続いたため懲戒処分をして、降格後に結果として減給という形はあり得ますが、それも突然懲戒処分するのは妥当とは言えず、複数回口頭で注意や訓告をしたのち、段階的に処分を決定するのが通常となります。

罰金を支払わないと会社を退職できない問題を抱えている人がどうするべき?

罰金を支払わないと会社を退職できない問題を抱えている人がどうするべき?

従業員の中には「罰金を払わないと会社を辞めることができない」と頭を抱えている人もいるでしょう。従業員が退職を申し出ても「罰金を払ったらね」と退職届を受理してくれない、退職の手続きをしてくれないケースも考えられます。

ただし、従業員は憲法で職業選択の自由が認められており、会社側は従業員の退職の意思に反して職場に留めることは重大な違法となります。上述した労働基準法第16条の「賠償予定の禁止」も、もとをただせば、会社が罰金を理由に従業員を不当に拘束することを避けるための法律となります。

そのため、罰金を理由に会社を辞められない状況に陥っている人は、法的手段を用いてスムーズに辞めることができます。

会社から違法に罰金を請求されて辞められない:退職代行で解決

会社から違法に罰金を請求されて辞められない:退職代行で解決

会社から違法に罰金をされて辞められない人は、退職代行を利用することで合法的かつ即日で辞めることができます。

退職代行は従業員に代わって会社に電話介入し、法的に退職手続きを促すサービスとなります。一般企業と弁護士事務所が提供していますが、弁護士に依頼すれば労働問題の専門家が電話介入してくれるので、トラブルはありません。また、通常は就業規則の退職規定に則って退職日を決めますが、退職代行に依頼すれば、介入当日から有給休暇を取得することで自宅待機期間が始まり、有休消化完了と共に退職できます(通常は2週間)。有給休暇の残日数がない場合、その日限りで退職できることがほとんどです。会社も出勤の意思がない従業員の社会保険を払うわけにはいかないためです。

当サイト「弁護士法人みやび」は、これまで業界・業種問わず数多くの退職代行の提供実績があります。今回のように罰金の支払いを受けて退職したくともできない状況にある場合は、弁護士が介入して違法性を指摘することでトラブルなく辞めることができます。
弁護士法人みやびではEmailとLINEアプリで相談・依頼が可能です。

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